2008年2月 3日 (日)

「遺言書の作成」が、特に必要なケースとは?

★相続において、遺言書が無い場合、財産は、遺産分割協議に基づいて分割されますが、相続人間の様々な思惑が複雑に絡み合い、話し合いがまとまらないケースも少なくないようです。しかし、個々のケースをみてみると、細かな部分の違いこそあれ、ある程度共通した要素があり、生前、遺言書を作成しておくことにより、相続トラブルを未然に防ぐことも可能であると考えます。

 津留行政書士事務所行政書士津留信康E-mail&TEL:宮崎市0985-27-5362/宮崎県行政書士会)では、「相続において、遺言書の作成が特に必要なケース」について、ご紹介しておりますので、皆様の遺言書作りに少しでもお役に立てれば・・・と切に願っております。

 なお、遺言書というと、とかく、相続財産の配分など、経済的な側面ばかりがクローズアップされますが、本質的には、遺言者ご自身の集大成として、これまでの人生を振り返り、家族など、残された方々への感謝の想いを託してこそ、初めて意味を成すものだと考えます。そのことを踏まえ、当事務所では、「遺言者の想いを伝える遺言書」作りのお手伝いを心がけております。

 1.遺言書がある場合の「相続手続きの流れ

 2.遺言書が無い場合の「相続手続きの流れ

■夫婦に子供がいない場合

 夫婦に子供がいない場合において、仮に、相続人が、「妻と自分の兄弟姉妹」だとすると、法定相続分は、「妻が4分の3、自分の兄弟姉妹が残りの4分の1(人数で等分)」ということになります(民法第900条第3号)。この場合、相続財産に分割の容易な金銭等が多く含まれていれば、それほど問題はありませんが、被相続人(この場合は、夫)の主な財産が、現に居住している「家と土地」だけだとすると、いかがでしょうか?そうなると、家と土地を売却した代金を「兄弟姉妹の相続分」に充てざるを得なくなり、その後の妻の生活が極めて不安定になるのは必至です。

 そのような事態を防ぐためにも、「妻に全財産を相続させる」旨の遺言書を作成しておけば、兄弟姉妹には「遺留分(一定の相続人に最低限割り当てなければならない財産の割合をいい、兄弟姉妹以外の法定相続人、すなわち配偶者、子、親にその権利があります)」がない(民法第1028条)ため、遺言書どおりに相続がなされ、妻は、夫の死後も、安心して我が家に住み続けることができるのです。

 実際には、妻が夫に先立たれるケースばかりとは限らず、逆のケースもあるはずですから、上記のように、夫から妻への遺言だけでなく、場合によっては、妻から夫への遺言もあわせて作成する、いわゆる夫婦相互遺言の作成を検討する必要もあるでしょう。ただし、その場合においては、共同遺言は無効(民法第975条)ですから、夫婦別々の書面で作成する必要がありますので、ご注意ください。

■親と長男夫婦が同居している場合

 「親と長男夫婦が同居し、他の兄弟姉妹はそれぞれ独立している場合」は、ある意味では、相続トラブルに発展しやすい典型的なケースと言えるかもしれません。

 弟(次男)と妹(長女)は結婚して独立している一方で、長男夫婦が、夫に先立たたれ、年老いて体が不自由となった母親の介護をするために、母親名義の持ち家に同居していたようなケースでは、母親の死後、遺言書がなければ、相続人間の遺産分割協議によって財産は分割されるため、仮に、母親名義の預貯金等の金銭がほとんどなく、主な財産は持ち家と土地だけだったとしたら、それらを売却・換価したうえで、「法定相続分どおりの分割(長男・次男・長女の均等3分割)」を実現しなければならなくなるかもしれません。

 苦労をかけた長男夫婦に報いるために、家と土地をそのまま相続しようとするのであれば、あらかじめ、その旨の遺言書を作成しておく必要があります。ただし、その際には、「次男と長女の遺留分(一定の相続人に最低限割り当てなければならない財産の割合。このケースでは、母親の財産の2分の1の均等割り、つまり次男・長女6分の1ずつになります/民法第1028条第2号)」に配慮する必要がありますし、家と土地以外に遺留分を満足させるだけの財産(分割可能な金銭等)がないような場合には、母親から子供(弟と妹)に十分に説明したうえで、あらかじめ「遺留分の放棄家庭裁判所の許可を受けて初めて効力を生じます/民法第1043条第1項)」をしてもらっておいたほうがよいでしょう。

 「血のつながった兄弟姉妹なのだから、我が家に限っては大丈夫だろう」とのお言葉をよく耳にしますが、「血のつながった兄弟姉妹だからこそ、過去から現在に至るまでの様々な想いが感情的な対立を生み、果ては、遺産の取り分を巡る骨肉の争い、相続ならぬ争族が勃発することも少なくない」というのが現状のようです。しかも、これらは、「遺産総額数十億といったような資産家一家」だけに限った話ではなく、ごく一般的な中流家庭も決して例外ではない・・・という点に注意しておく必要があります。

■先妻の子供と後妻がいる場合

 先妻に先立たれた夫が再婚し、「先妻との間に生まれた子供」と「後妻」がいる場合、夫が亡くなると、法定相続分は、「先妻との間に生まれた子供」と「後妻」が、それぞれ2分の1ずつ(子供が複数の場合は、人数で等分)となりますが、後妻との間にも子供が生まれていたとしたら、その子供は、「先妻との間に生まれた子供」と同等の法定相続分となります。そうなると、「先妻との間に生まれた子供」が、「後妻」や「後妻との間に生まれた子供」の相続分に反発するなど、潜在化していた“感情的なしこり”が一気に表面化し、相続トラブル(遺産分割協議の紛糾など)に陥ることも少なくないようです。

 このようなことを未然に防止するためには、仮に、法定相続分どおりの相続を望む場合であっても、遺産形成の経緯、各自の考え方・経済状態などを十分考慮の上、それぞれ納得性の高い遺言書を作成しておく必要があるでしょう。

 上記のような場合、後妻の連れ子に法定相続分はありませんが、亡夫との間の養子縁組が成立していれば、「先妻との間に生まれた子供」や「後妻との間に生まれた子供」と同等の法定相続分となります。

特定の相続人に、財産の全部を相続させたい場合

ケースⅠ:農業を、後継者の長男に継がせたい場合

 農地の相続においても、遺言書が無い場合には、相続人の遺産分割協議によって遺産分割が行われます。その際、後継者の長男の単独相続で話がまとまり、他の相続人が相続放棄の手続きを行えば、何ら問題はありませんが、遺産分割協議がまとまらず、農地以外の金銭等の財産もなければ、農地は細分化されてしまうため、農業経営が困難になる恐れがあります。

 農地以外にこれといった財産がなく、長男に農業を継いでもらいたい場合には、長男に単独で相続させる必要があります。具体的には、長男以外の相続人に遺留分放棄の手続きをしてもらった上で、長男の単独相続の旨の遺言書を作成する方法などを検討してみるべきでしょう。

 時代劇でおなじみの「このたわけ者!」という台詞をご存知の方も多いと思いますが、昔から農村では、「田を細分化すること」を「田分けばかげたこと)」として戒めていたとのことです。

ケースⅡ:事業を、後継者の長男に継がせたい場合

 農地の相続の場合と同様、事業用資産を細分化することにより、事業の継続が困難になる場合も少なくないため、後継者に単独で相続させる必要があるでしょう。

 □事業承継に関しましては、次の資料がご参考になると思われます。

  1.「事業承継ガイドライン事業承継協議会)」について

  2.「事業承継20問20答中小企業庁)」について

  3.「中小企業事業円滑継続法の創設」について

親身になって面倒を見てくれた息子の嫁に、財産を遺したい場合

 寝たきりの親に対して、どんなに親身になって世話をしたとしても、息子の嫁(子の配偶者)に、「相続する権利」はありません。日常的な介護に関して、長男の嫁に任せっぱなしで、金銭的援助はおろか、実家に寄り付きさえもしなかった他の兄弟姉妹が、いざ相続になると、長男の嫁を排除してしまうケースは、少なくないようです。

 親身になって面倒を見てくれた息子の嫁の苦労に報い、財産を遺したい場合には、まず、「遺贈(遺言により、包括または特定の名義で、遺産の全部または一部を、無償で他に譲与すること/民法第964条本文)」を検討してみるべきでしょう(その他にも、息子の嫁との養子縁組などの方法がありますが、遺贈が一般的のようです)。

 遺贈の場合にも、遺留分に関する規定に反することはできません(民法第964条但書)ので、注意を要します。

内縁の妻に、財産を遺したい場合

 □内縁の妻とは、「事実上、夫婦同然であるにもかかわらず、何らかの理由で、婚姻届が出されていない妻」のことを指します。内縁の妻は、いわゆる愛人とは区別され、社会的には一定の評価を受けますが、法律上の婚姻とは認められず、一切相続権がありません。

 内縁の妻に財産を遺すためには、相続人の遺留分に留意した上で、遺贈(遺言により、包括または特定の名義で、遺産の全部または一部を、無償で他に譲与すること/民法第964条本文)する旨の遺言書を作成する必要があるでしょう。

■相続人がいない場合

 相続開始後、相続人がいない(見つからない)場合、相続財産管理人が選任され、債権者などに対する請求の催告や相続人の捜索が行われます。その後、相続人の不存在が確定し、「特別縁故者(被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者、その他被相続人と特別の縁故があった者)」からの申立てがなければ、最終的に、被相続人の財産は、国庫に帰属することになります(民法第951条~第959条)。

 「①親身になって老後の面倒を見てくれた方に、財産を遺したい、②福祉団体やお寺・教会などに、寄附したい、③家族同然のペットに、財産を遺したい(ペットに相続権や受遺権はありませんので、実際には、ペットの世話をしてくれる方に財産を遺す旨の負担付遺贈などの方法によります)」等の希望があるのであれば、その旨、遺言書を作成する必要があります。

認知をしたい場合

 「生前、認知をしなかった、妻以外の女性から生まれた子」に相続させたい場合には、遺言により、認知をする必要があります(遺言による認知は、遺言執行者が、その就職の日から10日以内に、届出をしなければなりません/戸籍法第64条)。ただし、この場合には、認知された子(非嫡出子)の法定相続分は、妻から生まれた子(嫡出子)の2分の1となりますので、注意が必要です。

 □「認知」「相続人の廃除」などは、遺言だけでなく、生前行為によってもできますが、「相続分の指定」「遺産分割の方法の指定」「遺産分割の禁止」「遺言執行者の指定」などは、遺言によってのみできる行為です。

親不孝な息子(娘)に、相続させたくない場合

 親に暴力を振るったり、勝手に家の金を持ち出すなど、親不孝な息子(娘)に相続させたくない場合であっても、息子(娘)には法定相続分があり、仮に、「相続分ゼロ」と遺言した場合でも、遺留分は、息子(娘)のものになってしまいます。

 どうしても、親不孝な息子(娘)に相続させたくない場合には、遺言書に、「廃除)」の意思・理由などを記載する必要があります。この場合、相続開始後に、遺言執行者が、家庭裁判所に申立てを行い、審判が確定すれば、その息子(娘)は、相続権を失います(民法第893条)。ただし、その息子(娘)に子がいる場合には、その子(孫)が代襲相続することになるため、注意が必要です(民法第887条第2項本文/この点は、その者が、相続人の欠格事由に該当する場合と同様です)。

 「廃除」の手続きは、被相続人が、生前、申し立てることも可能です(民法第892条)。

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2008年1月 7日 (月)

「遺言・相続・任意後見」サポートⅠ

★遺言書の作成、相続手続き成年後見(主に、任意後見契約)について、お困りのことがございましたら、津留行政書士事務所行政書士津留信康宮崎市宮崎県行政書士会)まで、どうぞお気軽にご相談ください。

☆☆☆遺言書がある場合の「相続手続き」の流れ☆☆☆

■遺言書の作成&任意後見契約の登記

 □「遺言書」起案・作成サポート

  遺言書には、普通方式3種類・特別方式4種類の計7種類がありますが、当事務所では、お客様のニーズが高い、「自筆証書遺言」の作成&「公正証書遺言」の起案をサポートいたします。

  遺言書作成が特に必要なケース

<自筆証書遺言>

 自筆証書遺言は、「紙とペンさえあれば、1人で、いつでもどこでも、簡単に作成できる」、「遺言作成の事実を秘密にできる」、「費用がほとんどかからない」といったメリットを有する「便利で手軽なタイプ」といえますが、「法定要件を満たさず、無効となる可能性がある」、「遺言書の紛失、第三者による盗難・偽造・変造の恐れがある」、「遺言書が発見された場合、家庭裁判所の検認手続きを要する」といったデメリットがあることに、注意が必要です。

<公正証書遺言>

 公正証書遺言は、「法律実務の専門家である“公証人”が作成するため、法的に問題のない遺言書を作成することができ、安心である」、「原本が公証役場に保管されるため、紛失・盗難・偽造・変造のリスクがなく、安全・確実である」、「家庭裁判所による検認手続きが不要である」といったメリットを有する「安心・安全・確実なタイプ」といえますが、「遺言作成にあたり、証人2人以上を要するため、作成の事実と内容が、第三者に知られてしまう」、「費用と手間がかかる」といったデメリットがあることに、注意が必要です。

 □「任意後見契約」起案サポート

  遺言書が、「ご自分が亡くなった後を見据えて、残された方々への様々な想いとともに、遺産相続等について書き記すもの」であるのに対し、任意後見契約は、「ご自身が、生前のいざという時のために、あらかじめ結んでおく契約」であることから、両者は、人生の最終章において、同時に検討することを要する、いわば、「車の両輪である」と考えられます。

  任意後見制度法定後見制度を含む成年後見制度については、法務省HPをご覧ください)は、「ご本人が十分な判断能力を有している間に、あらかじめ、判断能力が不十分になった場合の後見事務後見人(任意後見人)について、契約(任意後見契約)を結んでおく制度」であり、次のような手続きを要します。

  1.任意後見契約を締結するには、公正証書の形にする必要がありますが、その際、公証人の嘱託登記により、任意後見契約の登記がなされます。

  2.ご本人の判断能力が不十分になった場合、一定の範囲の申立人による「申立て」に基づき、家庭裁判所任意後見監督人を選任し、任意後見契約の効力が生じます。なお、任意後見人は、任意後見監督人に対して、その事務に関する定期的な報告をしなければなりません。

   

■相続の開始(被相続人の死亡)

   

■死亡届(7日以内に、市町村役場窓口へ提出)&葬儀

   

■法定相続人の確定

   

■家庭裁判所における、遺言書の開封

 家裁の検認手続き⇒自筆証書遺言:必要、公正証書遺言:不要

   

■遺言執行者の選任家庭裁判所

 相続人全員による遺言の執行が原則ですが、遺言書に、遺言執行者のご指定があれば、遺言執行手続きを単独で行うことが可能となり、相続人のご負担を軽減することができます。

   

■遺言の執行

   

■遺産の分割

家庭裁判所による手続きは、こちらをご覧ください

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「遺言・相続・任意後見」サポートⅡ

★遺言書の作成、相続手続き成年後見(主に、任意後見契約)について、お困りのことがございましたら、津留行政書士事務所行政書士津留信康宮崎市宮崎県行政書士会)まで、どうぞお気軽にご相談ください。

☆☆☆遺言書が無い場合の「相続手続き」の流れ☆☆☆

■相続の開始(被相続人の死亡)

   

■死亡届(7日以内に、市町村役場窓口へ提出)&葬儀

   

■相続人の調査・確定&相続財産の調査・把握・評価

 □法定相続分

  1.子(1/2)+配偶者(1/2)

  2.直系尊属(1/3)+配偶者(2/3)

  3.兄弟姉妹(1/4)+配偶者(3/4)

  4.子のみ、配偶者のみ、直系尊属のみ、兄弟姉妹のみ(それぞれ、全部)

  相続人が不在の場合には、所定の手続きを経て、相続財産は国庫に帰属します。

 □プラスの相続財産

  土地・家屋、現金・預貯金、農地・山林、自動車、宝石・骨董品、退職金・生命保険金、株券、債権(貸金債権、売掛金債権など)、各種の権利(損害賠償請求権、特許権、実用新案権、意匠権・商標権など) 

 □マイナスの相続財産

  金融機関や友人・知人からの借金など

 □相続財産には含まれないもの

  祭祀財産(系図、仏壇・仏具、墓地・墓石など)

   

■相続に対する態度の表明(相続開始から3ヶ月以内)

 □単純承認or限定承認or相続放棄家庭裁判所

   

■遺産分割協議

 協議不調の場合⇒家庭裁判所の調停・審判

   

■遺産分割協議書の作成

   

■遺産の分割

家庭裁判所による手続きは、こちらをご覧ください

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